長野県の学生向けお役立ち記事まとめ 【チョイシップ】地方創生に本気で取り組むIT企業のインターンシップがとにかく面白かった【Vitalize小海支社】
【チョイシップ】地方創生に本気で取り組むIT企業のインターンシップがとにかく面白かった【Vitalize小海支社】

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【チョイシップ】地方創生に本気で取り組むIT企業のインターンシップがとにかく面白かった【Vitalize小海支社】

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こんにちは、たっきーです!

シンダイガイドメンバーが中心になって設立した株式会社OMOMOでは、学生が気軽に参加できる県内企業でのインターンシップ企画「チョイシップ」を開催しています。

記念すべき第1回は、東信の小海町にあるIT企業「株式会社Vitalize(ヴァイタライズ)」の小海支社に、信州大学の学生3名と一緒に行ってきました!

参加してくれた学生(左から、まさ、なみ、きぐっちー)

IT企業なのになぜか魚の養殖をしていたり、本社が東京なのに地方創生に全力で取り組んでいたりと、Vitalizeはちょっと変わった会社。今回のチョイシップを通して、その理由や魅力に迫ります!

午前の部:Vitalizeのことを知ろう!

やってきたのは長野県小海町。千曲川が作り出した河岸段丘沿いに広がる人口約4,000人の町で、アニメーション作家の新海誠監督の出身地としても有名です。

北八ヶ岳の麓に広がる耕地では、キャベツやレタス等の高原野菜の栽培が盛ん。森や池などの豊かな自然に包まれた風景がフィンランドに似ていることから、北欧をテーマにした施設やイベントなどもあります。

とても風光明媚な場所ですが、こんなところにあるIT企業って一体どんな会社なんでしょうか?

車から見た八ヶ岳と高原野菜の畑

社会課題の解決を通して日本を活性化する

出迎えてくれたのは小海支社長を務める濱野さん。VitalizeのCOO(最高執行責任者)でもある方です。まずは濱野さんからVitalizeについての紹介をしていただきました。

Vitalizeのオフィスで濱野さんから説明を聞く学生たち

Vitalizeは2018年に誕生した会社で、本業はIT。Webアプリの開発やDX分野のコンサルティングなどを手がけています。現在7期目ですが、社員数は120名を超え、全国各地に支社も誕生しています。

2024年7月現在、小海支社以外にも、宮崎、千葉、前橋、和歌山、北海道(予定)などに支社があり、各地のメンバーが連携し合いながら業務に取り組んでいます。

出典:Vitalize会社説明資料より

どうして地方にこんなに支社があるんですか?

当社はITによるビジネス支援を行う会社ですが、「地方創生」にも力を入れています。それは、日本が抱える様々な社会課題を解決したいという思いがあるからです。

出典:Vitalize会社説明資料より

濱野さんによれば社会課題というものはとても複雑で、ビジネスとしては基本的に儲からないものがほとんどだそうです。だからこそ誰も手をつけられず、放置されている社会課題が地方を中心にたくさんあるのが現状といいます。

当社の行動指針は「率先垂範・利他貢献」です。「率先垂範」は聞き慣れない言葉かもしれませんが、他の人がやりたがらないことを進んでやること、要するに「誰も手を挙げないなら僕がやります!」ということです。それによって社会課題を解決し「日本を活性化する」ことが当社のミッションです。

Vitalizeの取り組みについて熱く語る濱野さん

Vitalizeでは、様々な社会課題に真正面から向き合うことで地方に雇用を生み出し、賃金の上昇や人口増加といった地方創生につなげていくことを目指しているそうです。

出典:Vitalize会社説明資料より

小海支社では、地方創生について具体的にどんな取り組みをしているんですか?

イワナやニジマス、チョウザメといった淡水魚の養殖、特産品の開発、地元の学校での教育プログラムなどいろいろな取り組みをしています。

養殖!?どんな感じなのか気になります…

じゃあちょっと車で移動して、生簀を見てみましょうか!

IT企業が取り組む地方創生のリアル

オフィスから車で20分ほど走ると、「五箇」と呼ばれる集落に着きました。民家はいくつもありますが、空き家となっている家も多く、世帯数としては十数件しかないそうです。

1日数本の町営バスが通っている

そんな集落の一端にVitalizeが管理する生簀がありました。

Vitalizeが管理する生簀の全景

ここではイワナとニジマスを養殖しています。地元の養殖事業者から稚魚や餌を購入して育て、料理店に卸したり、イベントで塩焼きにして提供したりしています。

この生簀は大分前に使われなくなり、遊休施設となっていたものをVitalizeが再び活用し始めたもの。電気代はゼロ、水利権も格安なため、最低限のコストで維持ができているといいます。

養殖する魚について質問する学生たち

養殖の様子を初めて目にする学生も多く、みんな興味津々な様子でした。

養殖事業で今後やってみたいことはありますか?

コストが安いと言いましたが、餌代はそれなりにかかります。そこで、高原野菜の規格外品などを使って昆虫を育て、それを魚の餌にできないだろうかと考えています。通年で昆虫を育てるとなると電気代がかかるかもしれないので簡単にはいかないと思いますが、チャレンジはしてみたいですね。

ちなみに、「関数の引数に野菜を入れると、アウトプットとして魚が出てくる」と考えると、プログラミング的な要素もあって面白いですね。

せっかくなので、きぐっちーが網を使ってイワナを捕まえてみました!

結構様になっているきぐっちー

大きくて活きのいいイワナ。この日は食べられなかったのですが、機会があれば味わってみたい…!

食べごろサイズのイワナたち

ちなみにこの生簀ではクレソンも栽培(?)していて、濱野さんが採ってきてくれたものをみんなで味わいました。今まで食べた中で最も新鮮なクレソンは、何もつけなくても最高に美味しかったです!

新鮮なクレソンを味わい、思わずこの笑顔

さらに、生簀の水源も見てみようということになり、草木をかき分け森の奥へ。

一体どこに向かっているのか?

(あれ、我々はIT企業のインターンシップに来たはずでは…?)

そんなことを考えながら5分ほど進むと、澄み切った水が湧き出る川に出ました。濱野さんがペットボトルに水を汲んでくれ、順番に飲んでみることに。

このために濱野さんはサンダルを履いていたのか!

冷たくてめちゃくちゃ美味しいです!

生簀周りの視察は以上でおしまい。地方創生のリアルな現場が見れて、とても良い経験になりました!

小海町の見所もちょっと紹介

帰り道は来た時とは別ルートで、小海町の観光スポットなどを車から眺めながらオフィスへ戻りました。

車中での1枚

ここで、小海町の観光スポットも少しだけご紹介します!

小海町高原美術館

安藤忠雄の設計で1997年に建てられ、町出身の芸術家たちの作品を中心に展示されています。

過去には町出身のアニメーション作家・新海誠の企画展が開催され、現在もムーミンをテーマにした企画展が開催中(2024年10月6日まで)です。

白駒の池

佐久穂町との町境にある湖で、標高2,100m以上の湖としては日本最大の天然湖です。

周囲には「もののけの森」とも呼ばれ、国内三大原生林にも数えられる神秘的な森が広がっています。

ガトーキングダム

ご存知シャトレーゼが運営するリゾートホテルで、様々なアクティビティや温泉、食事などが楽しめます。

日帰り利用もできるので、ドライブに行くのもおすすめです。

ランチはオフィス前のハンバーガー屋さんでテイクアウト!

オフィスに戻ったら、すぐ向かいにあるテイクアウト専門のハンバーガーショップ「アイリーバーガーズ」へ。

緑のコンテナがアイリーバーガーズの目印

厳選食材をふんだんに使ったボリュームたっぷりのハンバーガーをテイクアウトし、オフィスでまったりランチタイム。

この日はたまたま千葉支社の中丸さんも同席されていて、千葉での取り組みについての話も聞くことができました。

千葉での取り組みを話す中丸さん

千葉支社では、ビニールハウスを使った苺の栽培と、観賞用メダカの飼育などをしています。メダカについては飼育の手間やコストがほとんどかからないことがわかったので、他の支社でもやれたらいいなと思っています。

同じ会社でも、それぞれの地域に合わせていろいろな取り組みをしているんですね。
ちなみに、苺の栽培をしているとありましたが、中丸さんは農業経験者なんですか?

私は元自衛隊なんです。穴掘りは得意ですが、農業経験は全くありません(笑)
Vitalizeには、私のように前職がITに全く関係ない社員も多いですね。

会社説明資料によると社員の約9割が中途採用で、前職の業種や職種は多種多様だそうです。

出典:Vitalize会社説明資料より

ちなみに、支社長の濱野さんも元々は家具などを販売するニトリの社員だったとか。

VitalizeはIT企業なのでエンジニアがもちろん多いですが、地方創生や日本を元気したいという思いが強い人にこそ合っていると思います。

ここでもう一人、信州大学人文学部の卒業生でもある品田さんがオンラインで参加。OBとして学生の質問に答えてくれました。

人文学部を卒業されているとのことですが、プログラミングやIT業界に興味を持ったのはどういった理由からですか?

僕がいた文化情報論というコースでは、研究のために色々な人にアンケート調査などをすることも多くありました。卒論を書くときには、被験者の反応を見るためにPythonでちょっとしたプログラミングなどもしたんですけど、それがうまくいかなくて…
そこで抱いてしまったプログラミングに対する苦手意識を克服したくて、あえてこの道に進みました。

苦手だったからこそ選ぶなんてかっこいいですね!
ちなみに、来年から大分支社に行かれると聞きましたが、向こうでは今後どんな取り組みをする予定ですか?

大分にも長野県と同じく空き家がたくさんあります。また、温泉という地域資源があるので、それらを活かして民泊事業をやれたら楽しいなと思います。
他にも、大分県は地熱がかなりある場所なので、それを活かしたエネルギー関連の事業も考えてみたいですね。

この他にも、品田さんの学生時代のお話なども聞けて、とても楽しい時間になりました。

午後の部:Vitalizeの仕事を体験しよう!

午後は実際にVitalizeの仕事を体験してみようということで、アンプラグドプログラミングと小海駅の2階スペースの活用方法を考えるワークショップを行いました。

アンプラグドプログラミング

アンプラグドプログラミングは、パソコンなどの電子機器を使用することなく、プログラミング的な思考を学ぶ学習方法です。Vitalizeの山﨑さんが詳しく説明してくれました。

アンプラグドプログラミングについて説明する山崎さん

実際のプログラムはコンピューター上で実行されますが、アンプラグドプログラミングでは、システム要件や実行フローを紙に書いて、自分の体や他人に命令して動いてもらいます。
細かくやる場合は足を何度上げて…とかまでやる場合もありますが、今回はもう少し簡単にして、方向や歩数などを指定してある程度体の動きが制御できればOKです。

ということで、今回は「ドアの外からオフィスに入り、冷蔵庫の中にあるビールを取り出す」という動作を紙に書き出し、自分以外の学生に実行してもらうという流れで行いました。

1つ1つの動作を正確に記入

上の写真のように1つ1つの動作を紙に書き出し、ビールを取り出せるか順番にチャレンジ!

思わぬ動作が起きてオフィス内は大盛り上がり

これが結構難しく、実際にやってみると途中で動けなくなってしまったり、ドアを開けることすらできなかったりと四苦八苦。

オフィスに入ることすらできないことも…

なんと成功したのは3人中1人だけで、実際のプログラミングの難しさや楽しさを、体を使って体験することができました!

無事にビールを取り出せたまさ

駅上スペースの活用方法を考える

小海駅の駅舎

この日最後のプログラムは、小海駅の2階にあるスペースの活用方法を考えるワークショップ。

駅上スペースの全体像

現在は「エキウエ」という名前で中高生の勉強や交流スペースになっていますが、そもそも学生数が少ないこともあり利用者はそれほど多くないそうです。

2階にあるため、気軽に入れない点も課題だそう

まずは、このスペースの管理もされている小海町役場の遠藤さんからお話をお聞きしました。

最近導入されたゲーミングチェアに座ってお話を聞く学生たち

地方はどこでもそうですが、就職先や魅力が乏しいということもあって多くの若者が都会に出て行ってしまいます。そうした中で、Vitalizeさんのような新しい価値観を持った会社が小海に来てくれたのは本当に嬉しいことです。ぜひ、我々やVitalizeさんと一緒に、若者目線でここでできることを考えてもらいたいです。

ここからは学生だけでアイディア出しタイム。ここまでの時間で見聞きした課題や地域資源、これまでの自身の経験などを総動員して、駅上スペースの活用方法を考えてみました。

付箋やホワイトボードを使ってアイディアをまとめる学生たち

そして最終的に生み出されたアイディアがこちら。

生み出されたアイディア

中高生に日常的に使ってもらえるようにするには、勉強スペースとしての役割は残しつつ、もう少し遊びにも使えるように環境整備をしていくべきだと思います。そして、そのために必要なお金は大人を対象にしたイベントで儲けるという作戦を考えました。

まずは、この場所の認知を拡大するためのイベントとして、フォトコンテストやコケの展覧会、美術館とコラボしたアートイベントなどを考えました。
その次に、実際に物を販売して収益を得るイベントとして、サウナ体験会や北欧をテーマにしたマーケット、東信エリアのお酒を集めたサミット、小海町の特産品を売るマルシェイベントなどができないかなと思っています。

実現可能性の高いアイディアに、Vitalizeの社員さんたちからは拍手が湧き上がりました。

実現可能性の高いアイディアに盛り上がるVitalizeの皆さん

いいですね〜!大人から金を巻き上げるのは正しいと思います(笑)
ちなみに、どういったところからアイディアの着想を得たんですか?

一番大きかったのは北欧との関係性です。長野県は地場の物を売るマルシェ的なイベントは結構活発なイメージがありますが、あえて外から商品を持ってきて売るというのはあまり聞いたことがないです。そんな中で、フィンランドの物などが売り買いされるイベントがあれば、小海町をうまくブランディングできるのではないかと思いました。

サウナについても最近は全国的に人気で、北欧つながりという点でも小海町と相性がいいと思っています。マルシェに合わせてサウナ体験会などができたら面白そうですよね。
また、白駒池周辺の多種多様なコケも、せっかくならここで展示して実際に触ってもらえたらと思います。

そんな展示があったら僕は1日中いますね!笑

この後も議論は盛り上がり、夏から秋にかけて何かしらイベントを実際にやってみることに!

学生もVitalizeも、お互いにワクワクした気持ちを抱いてワークショップは終了となりました。

地方で面白いことをやりたいならVitalizeへ!

これにて、Vitalizeでの非常に濃密な1Dayインターンは終了。最後に、今日のまとめと感想の共有を行いました。

ITと地方創生という一見関係のないものが、実は色々な面でつながっていることがわかっていただけたんじゃないかと思います。
例えば、エンジニア業務で身につけたロジカルシンキング、抽象化、モデル化といった考え方が養殖などの活動に活かせることや、IT業務におけるマネジメント業務が、人とのつながりを作ったり人を巻き込んだりしていく力に直結しているということを体感してもらえていたら嬉しいです。

皆さんとは、引き続き良い関係を続けていけたらと思います。まずは、先ほど皆さんに出していただいたイベントの実現に向けて一緒に頑張りましょう!

今日はとても楽しい1日でした。エンジニアリング領域と地方創生という2つの領域が、単純に共存しているわけではなくて、きちんとサイクルになっている点に驚きました。

とても濃くて充実した時間を過ごすことができました。今日は色々な方に会いましたが、小海町や地域のことが好きで、本気で考えている人がたくさんいることが知れてよかったです。

最後のワークで出したアイディアが、どれもすぐに実行できそうと言っていただけたのが嬉しかったです。Vitalizeさんが日々色々な人と繋がりや信頼関係を築いているからこそ、スピード感を持って実現まで持っていけるのかなと思いました。

この感想にもあるように、地方にも地元のことを考えている人がたくさんいて、多くの地域資源が眠っていることがわかりました。一方で、そうした人や資源を結びつけ、新しいアイディアを生み出せる人が少ないという課題も垣間見えました。

そして、その役割を担おうとしているのがVitalizeであり、今日はその思いや仕事の一部を感じられたような気がします。

一緒に働きたい方を募集しています!

Vitalizeでは一緒に働きたい方を募集しています。ITや地方創生をはじめ、Vitalizeの仕事や取り組みに興味がある方は、Vitalizeまで気軽に連絡してみてくださいね!

今回お邪魔した小海支社だけではなく、東京本社や全国各地の支社でも募集があります。詳しくは採用サイトをご確認ください。

また、Vitalizeの取り組みや最新情報は、公式エックスでも公開されています!ぜひチェックしてみてくださいね!

Vitalizeさん、参加してくれた3人の学生の皆さん、今回はありがとうございました!

最後にみんなで記念撮影をしました!

企業情報

社名株式会社 Vitalize(ヴァイタライズ)
本社所在地東京都新宿区西新宿6丁目6-3 新宿国際ビルディング新館 803
会社設立年月2018年1月16日
資本金1000万円
社員数122名(2024年6月末現在)
コーポレートサイトhttps://www.vitalize.co.jp/
採用サイトhttps://recruit.vitalize.co.jp/
マイナビページhttps://job.mynavi.jp/26/pc/search/corp263716/outline.html
公式エックスhttps://x.com/vitalize_prteam

この記事を書いた人

たっきー

シンダイガイド創設者。信州大学経法学部OB。取材、撮影、デザイン、Webサイト構築、イベント企画までなんでもやります!記事は取材系、タイアップ系、アウトドア系が多め。長野県の大学生が充実した学生生活を送れるように、使いやすいWebサービスをお届けしていきます!