記事 /
一人飲みが恥ずかしい大学生へ:カウンターのある店で、1杯から始めよう
- #お酒・居酒屋
- #ココロミー編集部
- #お役立ち
- #グルメ
- #その他
こんにちは!ココロミー編集部の黒澤です!
皆さんは一人飲みをしたことはありますか?
私はあります。
私は一人飲みに抵抗がなく、学生の頃から普通に一人で飲みに行っていました。趣味は酒場巡りと読書と散歩で、社会人になってからも、気が向いたときに一人でふらっと飲みに行く習慣は今も続けています。

一方で、周りの学生からは
「一人飲みしてみたいけど、店の扉の前で止まってしまう」
「注文のときにセンスないと思われそうで緊張する」
といった相談を何度も受けてきました。
常連さんばかりの世界に見えて気後れする、酒が強くないから迷惑をかけそう、店主さんや常連さんに話しかけられるのが怖い。悩みの種類は違っても、最初の一歩が重いのは共通です。
この記事では、恥ずかしさの正体をほどいたうえで、
- 入店前に勝てる「店選びのチェックリスト」
- 入店後に詰まらない“最初の注文”の作り方
- 緊張を下げる「初心者宣言」の使い方
- 本1冊で落ち着く方法
などをまとめます。
私が実際にやっていた一人飲みの方法と、意識していたことを再現できる形に落とすので、今週中に「1杯で実績解除」まで持っていけるはずです。
扉の前で止まる「恥ずかしさ」の正体を分解する
一人飲みをしてみたい気持ちはあるのに、いざ店の前に立つと足が止まる。
相談で一番多かったのが、この「扉の前で逡巡してしまう」パターンでした。
授業終わりに「今日は行ける気がする」と思って店まで来たのに、入店の直前で急に頭の中が騒がしくなるんです。
ここで大事なのは、気合で押し切ろうとしないことです。
恥ずかしさの正体を分解して、対処できる形にします。
まず起きているのは、「見られている気がする」という感覚です。
実際に見られているかどうかよりも、店の中に“自分を評価する目”があるように感じてしまう。特に個人経営っぽい酒場ほど常連さんがいそうで、「若造が来る世界じゃないと思われるんじゃないか」という想像が先に立ちます。証拠がないのに結論だけが強くなるのが、いちばん厄介なところです。
次に多いのが、注文の不安です。
入店できたとしても、注文の場面で固まってしまう。「変な頼み方をしたらセンスないと思われそう」「お酒に詳しくないのがバレそう」という怖さが出ます。さらに「そんなにお酒は強くないので、迷惑がかかるのでは」と、自分のペースまで心配が広がることもあります。
ここまでくると、もう“飲みに来た”というより“試験を受けに来た”状態です。そりゃ緊張します。
もう一つ、見落とされがちだけど根が深いのが「話しかけられるのが嫌」という不安です。
店主さんに声をかけられたり、隣の常連さんと会話が始まったりするのが怖い。人付き合いが苦手というより、「一人で静かに過ごしたいのに、その場のノリに巻き込まれそう」という感覚に近いと思います。入ったら会話しなきゃいけない気がして、扉の前で引き返したくなるんですよね。
ここまでの不安をまとめると、恥ずかしさの正体は大きく3つに分けられます。
- 評価されそう(常連の目、場違い感)
- ミスりそう(注文のセンス、お酒の強さ)
- 巻き込まれそう(話しかけられる不安)
逆に言うと、この3つをそれぞれ潰す手当てができれば、一人飲みはかなり現実的になります。

次のパートでは、この3つの不安を「店選び」で先に軽くする方法を整理します。
気持ちを変えるというより、環境のほうを先に変えるイメージです。
一人飲みは“店選び”で8割決まる(チェックリスト)
扉の前で止まる不安は、気持ちの問題に見えて、実は「店の環境」に引っ張られていることが多いです。評価されそう、ミスりそう、巻き込まれそう。この3つの不安は、店選びの段階でかなり軽くできます。ここでの狙いは、慣れることではなく「最初の一回が成功しやすい土俵」を選ぶことです。
まず大前提として、一人飲み初心者ほど「個室メインの店」より「カウンターがある店」のほうが向きやすいと思います。
個室は一見ラクそうですが、逆に「一人で個室を使う感じ」が気になってしまう人もいます。その点、カウンターは“おひとりさまがいること”が前提になりやすく、店側も客側も自然に成立しやすい。最初の一回は、カウンターがあるだけで心の負担が軽くなります。
次に、個人経営の酒場のほうが飲みやすいと感じる人は多いです。理由は、店の空気が「その店のルール」で回っているからだと思います。チェーン店のように正解の振る舞いを探さなくてよくて、居場所の作り方が分かりやすいことがあります。
ただし、ここは断定はできません。個人店でも常連色が強い店はありますし、逆にチェーンでも一人客が多くて居心地がいい店もあります。なので、個人店かどうかは“優先順位の一つ”くらいに置くのが現実的です。
そして「話しかけられたくない日」は、店選びと席選びで回避できます。
ポイントは、最初から“会話を頑張らない前提”で動くことです。
例えば席は、カウンターでも中央より端や壁側のほうが落ち着きやすい。店員さんの動線や、他の客との距離が取りやすいからです。ここで無理して真ん中に座る必要はありません。
一人飲みは、勇気よりも配置が大事です。
入店前の判断基準は、増やしすぎると迷って動けなくなるので、3つに絞るのがおすすめです。相談されたとき、私はだいたいこの3点だけ見ればいいと伝えています。
- カウンターがあるか(一人が自然に混ざれる構造か)
- 店の明るさ(暗すぎると逆に緊張する人もいます)
- 賑わいの強さ(静かすぎると視線が刺さる、うるさすぎると落ち着けない)

ここまで決めたうえで、最後に“補助輪”として使えるのが散歩です。
授業終わりにいきなり店へ向かうと、扉の前で想像が暴走しやすい人がいます。そういうときは、川沿いか駅前を30分くらい歩いてから向かうのがおすすめです。
散歩中は「店でどう見られるか」を考えないで、食べたいものだけを考える。これだけで、頭の中のノイズが減ります。散歩は根性論ではなく、思考を単純化する装置だと思ってください。
店選びと助走が整うと、「評価されそう」と「巻き込まれそう」はかなり弱まります。
次は、残りの「ミスりそう」を消すために、入店後の最初の動きを“型”として固定します。
入店後の詰まりは「最初の注文」と“初心者宣言”と本1冊で消える
店選びがうまくいって入店できても、次に待っている山が「最初の注文」です。
席に着いた瞬間に緊張が上がって、「何を頼めば正解なんだろう」と頭が真っ白になる人は少なくありません。ここで大事なのは、正解探しをやめて、最初の動きを“型”にしてしまうことです。
型があるだけで、店の空気に慣れるまでの時間を安全に稼げます。
まず結論から言うと、飲み物は「飲みたいものを頼めばいい」です。
背伸びして“通っぽい注文”をしようとすると、逆に苦しくなります。お酒に詳しいかどうかより、落ち着いて座っていられるかのほうが大事なので、最初は自分が飲みたい一杯を選んでいいと思います。
「お酒は強くないので迷惑がかかるのでは」と不安な人ほど、無理に強いものを頼まないほうが安心です。ペースはあとから調整できます。
次に、料理の頼み方です。
私は一人飲みのとき、料理を「すぐ出てきそうなもの」と「時間がかかりそうなもの」の2つに分けて頼むことが多いです。
例えば最初に、冷菜や小鉢のような早いものを一つ。加えて、揚げ物など少し時間がかかるものを一つ。こうすると、手元に何もなくて落ち着かない時間が減りますし、店に“滞在のリズム”が生まれます。注文の回数が少なくて済むので、追加注文のたびに緊張する人にも向いています。

それでも「この店初めてで挙動が怪しくなる」「注文の時点で緊張してしまう」という人は、最初の一言を用意しておくと一気にラクになります。いわゆる“初心者宣言”です。媚びるためではなく、自分の緊張を言語化して空気を整えるための言葉だと思ってください。
- 「このお店、初めてなんです。おすすめありますか?」
- 「一人飲み自体が初めてで、ちょっと緊張してます」
- 「今日は静かに飲みたい日で。良さそうな一杯ありますか?」(会話を短くしたい日)
おすすめを聞くタイプは、会話が自然に始まりやすいです。一方で、話しかけられるのが苦手な人は「今日は静かに飲みたい日で」と添えると、空気を柔らかくしたまま距離感を作れます。ポイントは、長く説明しないことです。最初の注文時に一言だけ言って、あとは通常運転に戻します。
そして、話しかけられるのが怖い人にこそ効くのが「本1冊作戦」です。
私は酒場に行くとき、詩集や短編集、お酒がテーマの小説、お酒の知識本など、短い単位で読める本を持っていくことがあります。短い文章は、読めても読めなくても罪悪感が少ないので、一人飲みの相棒に向いています。
重要なのは、読書を頑張ることではありません。手元に“戻れる場所”があるだけで、落ち着き方が変わります。

本を開くタイミングは、いきなり入店直後ではなく、「料理を注文して、1杯目を飲んだあと」がおすすめです。最初に店の空気を少しだけ吸ってから本を開くと、周りの目が気になりにくくなります。
読み方は「気の赴くまま」で十分です。数ページ読んで閉じてもいいし、読まずに眺めているだけでもいい。目的は“落ち着くこと”なので、成果を求めないのがコツです。
会話を伸ばしたくない場面では、本が“締めの合図”にもなります。
例えばおすすめを聞いて会話が始まったとしても、
「ありがとうございます。じゃあそれで。今日は読書しながらゆっくりします」
と言って本を開けば、角を立てずに自分のペースに戻れます。無理に愛想よくしなくても、静かに過ごす宣言ができるわけです。
ここまでの「注文の型」「初心者宣言」「本1冊」が揃うと、入店後の詰まりはかなり減ります。
最後に、初回の成功確率をさらに上げるために、滞在時間や杯数、予算を数字で区切って“撤退の安心”まで作ります。
初回は数字で区切る(60〜90分/1〜4杯/4,000円/1杯で実績解除)
一人飲みが難しく感じる理由の一つは、「どこまでやれば成功なのか」が曖昧なことだと思います。
扉の前で逡巡する人ほど、頭の中で勝手にハードルが上がって、「ちゃんと楽しめなかったら失敗」「会話できなかったら負け」みたいな採点が始まりがちです。
なので初回は、気合ではなく数字で区切って、撤退の安心を先に作ります。
まず滞在時間は、60〜90分で十分です。
1人で飲むと「もう少しいたほうが自然かな」と気にしがちですが、そこを気にする必要はあまりないと思います。むしろ、長居しないと決めておくと、店の空気に慣れる前に自分を消耗させずに済みます。初回は“短く終える勇気”のほうが価値があります。
次に杯数は、1〜3杯、いけても4杯まで。
ここはお酒の強さや翌日の予定にもよりますが、少なくとも「飲みすぎて二日酔いになる」ルートは避けたいところです。特に「お酒が強くないから迷惑かも」という不安がある人ほど、上限があるだけで気持ちがラクになります。
店に迷惑をかけないためというより、自分のメンタルを守るための上限です。
予算は、4,000円を上限にしておくと分かりやすいです。
お金の不安があると、注文のたびに緊張が増えるので、先に線を引いておくほうが落ち着けます。ここも「守れなかったら終わり」ではなく、「迷ったら上限を思い出す」くらいで十分です。
最初の一回は、楽しさよりも“安心して終われること”を優先します。

そして成功定義は、これくらい雑でいいです。
「入店して1杯飲めたら“一人飲み実績解除”」。
これを決めておくと、扉の前で止まりそうなときに「1杯だけでいい」と自分に言えます。長居も、会話も、通っぽい注文もいりません。座って、飲んで、帰れたら勝ちです。
最後に、次回の精度を上げるための最低メモだけ残します。
難しい振り返りはいりません。カウンターが落ち着いたか、客層はどうだったか、賑わいは強かったか。この3つが分かると、次の店選びがラクになります。初回は“店の相性を試す”くらいの気持ちでいいと思います。
まとめ
一人飲みは、気合で慣れるというより「仕組みで勝つ」ほうがラクです。恥ずかしさや緊張は消そうとするより、先に手当てできる形に分解しておくと動きやすくなります。
今日から使える要点は、この3つです。
- 不安は3つ(評価されそう/ミスりそう/巻き込まれそう)に分けると対処しやすいです。
- 店選びで8割決まるので、カウンターのある店を軸に「明るさ」「賑わい」を見て土俵を選びます。
- 入店後は型で進む(飲みたい一杯+料理は早いもの&遅いもの、必要なら初心者宣言、本1冊で落ち着く)と詰まりません。
次の一歩はシンプルに、今週どこかで「60〜90分・予算3000円・1杯で実績解除」を取りに行くことです。完璧に楽しめなくても大丈夫です。
一回座って一杯飲めたら、それだけで前進だと思います。
ぜひ、1冊の本を携えて一人飲みに行ってみましょう。
【おまけ】一人飲みに持っていく本の選び方(4タイプ)
- 詩集:1ページで切れて気がラクです。
- 短編集:区切りがよく、途中で閉じやすいです。
- 酒がテーマの小説:場の雰囲気と相性がいいことがあります。
- お酒の知識本:手持ち無沙汰対策になり、話題にもつながります。
個人的に黒澤が一人飲みの際におすすめの本を紹介します!
谷川俊太郎『自選 谷川俊太郎詩集』 (岩波文庫) 、岩波書店、2013
軽快なリズム感と遊び心のある詩が多く並び、読んでいて楽しい詩集。

パリッコ『酒場っ子』、スタンド・ブックス、2018
酒場ライターの著者が実際に体験した酒場体験をエッセイで綴っていて、つい他の酒場にも冒険したくなる本です。

山口恵以子『ゆうれい居酒屋』シリーズ、(文春文庫)、文藝春秋、2021
ほっこりするようなエピソードが多くあり、作中に出てく居酒料理の描写が見事で読んでいてお酒が進む本です。

小寺賢一『酒場図鑑 -酒と肴をとことん楽しむために』、技術評論社、2016
酒場についてだったり、居酒屋メニューの解説などが図解で描かれている本です。出てきた料理はった飲んでみたくなるかも。
