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【信州わかもの企業発掘隊】技術の継承で繋がる関係「株式会社大和ホーム工業」
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こんにちは!外部ライターの<矢野>です。
私は、塩尻市のNPO法人MEGURU・松本商工会議所が実施する「短期取材型インターンシップ」に参加し、企業の魅力を探るべく会社見学や社員さんへ取材を行ってきました。
今回私が紹介するのは、「株式会社大和ホーム工業」さん。どうやら、住環境に必要不可欠な整備の計画設計をしているそうで…
取材をしたのは代表取締役社長の成田さん、技術部次長の田口さん、総務部の小林さん、そして技術部の吉岡さんと西澤さんです。
株式会社大和ホーム工業ってどんな会社?
大和ホーム工業さんでは空調設備や給排水衛生設備をはじめ、環境衛生設備や防災設備など、快適な住環境に必要不可欠な設備の計画設計をしています。建設系の仕事といえば、重機を動かしたり建材を運搬したりという肉体労働の仕事を思い浮かべますが、そういった仕事は下請けの会社さんが行い、大和ホーム工業さんはその指示を出すという仕事をされています。
働きやすい環境づくりにも力を入れており、年間休日は115日、有給休暇や育児休暇、介護休暇等もあります。手当、福利厚生の面では、資格手当や通勤手当、年間表彰などがあります。
この業界は技術者不足が深刻になっていますが、市場が減るわけではないんですよ。なので、どう働き続けてもらうかを考えた時に、ある程度福利厚生を充実させないといけないと思います。資格手当の話がありましたが、資格をとって収入が安定するという確証があるのはひとつの魅力ですね。実際、若い人たちはそういうところに支えられている部分もあると思いますし、頑張った成果が給料に目に見えて分かるのでいい制度かなと思います。
そういった働きやすさに力を入れている姿勢が評価され、長野県のSDGsの推進企業登録や健康経営優良法人認定企業、ecoオフィス松本認定証なども獲得されており、現代の働き方に沿った制度を多く設けている会社だと感じました。
若い人の力を借りて、技術を継承する土壌を整えている
成田さんは高校の進路指導の先生に勧められて大和ホーム工業に入社したそうです。大和ホーム工業に長い間勤めてきたからこそ分かる貴重なお話をたくさん聞くことができました。

これまで働いてきて楽しいなと思った瞬間は?
うちの会社は小さいですが、大手ゼネコンみたいな仕事をやってるんですよ。例えばゴルフ場だったりね、地図に残るような大きな現場を色々やりました。私の娘はもう大学3年になりますが、地図に残る仕事ってのは子供に自慢出来るんですよ。あとは、私がお子ちゃまなので、クレーンとかダンプとかブルドーザーとかの重機が自分の指示でこう動き回るってのは男心をくすぐられるというか、楽しいですね。
建設業といえば、自分が関わったものが形として残り、人の役に立つというのがやりがいだとよく聞きますが、重機を自分の指示で動かすのが楽しいというのは初めての観点でとても面白かったです。
ズバリ、この会社の強みは?
実際に長きに渡り大和ホーム工業さんで働いている成田社長からの視点で、この会社の強みを聞いてみました。
この会社の強みは、若い世代が沢山いることですね。バブル崩壊後、私の上司がどんどん辞めてしまいまして。なので私が今社長をしているのですが、当時は苦しかったけど積極的に若い人を入社させたんですよ。常に新入社員に対して先輩が教育する流れができたので、技術の継承を通じて2、30代から50代まで途切れることなく繋がっているんです。このように、会社が1つの塊として機能できるというのは強みと言っていいと思いますね。
あとは、現場の管理に特化した会社なので、そこも強みだと思いますね。うちの会社のように年商10億前後の規模の会社は、基本的に半分は職人さんやそれを色々準備する人がいて、監督さんが残り半分程度という構成なんです。でもうちは監督さんだけで構成されているので、効率がいいんですよ。建設機械などには投資せず、パソコンなど現場管理に必要なものだけに投資しています。
お仕事されていて、こだわりを感じることはありますか。
やっぱり、現場代理人の質にはこだわりがあると思いますし、地域ではトップだと思いますね。うちは8割が元請けの仕事なので、お客さんとの信頼関係で仕事をしているんですよ。なので、仕事の質、人材の質は大切にしてますね。まあ、技術と言っても施工管理っていうのは安全、品質、工程、予算の4つの項目があって、うちは4つとも高いレベルにあるという感じですね。
成田社長に取材をして、印象に残ったことはたくさんありましたが、特に若い人へ技術の継承や教育をしていくという強い気持ちが感じられました。そこで、現在働いていらっしゃる社員さんたちは、社員の育成や年代の違う仲間との関わりについてどう考えているのでしょうか。
社員のみなさんに取材しました!

最初は技術部次長の田口さんと総務部の小林さんに取材をしました。田口さんと小林さんには、新しい陸上競技場の建設本部まで車で送っていただきました。私たちはその車内で取材をさせていただきました。
田口さん自身、若い世代と関わる中で意識していることはありますか。
自分の意見だけを言わないようにしてます。私たちは頭ごなしに、これはこうだよっていう教え方をされてきた時代だったんですけど、それはよくない。若いの世代の人たちにそんな教え方しても、言うことを聞いてくれることは絶対ないですからね。
逆に、若い世代からの意見を聞いていて、こういう学びがあったなとかってありますか。
それはありますね。歳をとると、やっぱり頭が固くなるんですよ。そうすると、考えが広がらずに選択肢が少なくなっちゃうんですよね。 そういう時に、若い子に頼んだりすると、もう思いもしないような発想をし出します。
小林さんはどうして大和ホーム工業を就職先に選んだのですか。また、実際働いてみてこの会社はどんな印象ですか。
私は就活の時、人間関係がいい会社に入りたいなと思っていました。そういう会社を探したところ大和ホーム工業が良いという情報があったので選びましたね。実際に入ってみて、人間関係もすごく良いですし、入って良かったなって思っています。あとは、元々はパソコンとかシステム的なことはあまり詳しくないのですが、excelやwordを使うのは苦手な方じゃなくて、専門学校で学んだ知識を活かして資料を作ったりとか、勉強が身になってる感がして楽しいですね。
続いて、技術部の吉岡さんと西澤さんに取材をしました。吉岡さんと西澤さんは現在、新しい陸上競技場の建設に関わっています。私たちはその建設本部で取材させていただきました。

吉岡さんは新入社員や、若い世代を育てていくにあたって意識していることはありますか
教える側としては、昨今、多様性だとか人との関わり方ってすごく変わってきちゃっているんですよね。私たちが入ってきた時代は言ってしまえば力ずくというか。これからの若い子たちに対しては、自分の知識を押し付けるんじゃなくて、 この若い子の能力を引き出す側の教育方法に目を向けていかないといけない。やっぱり、それぞれ適性もあるだろうしね。 数字が得意な子もいれば、国語が得意な子もいるわけじゃないですか。そういったところの特性を早く掴んであげることで、生かせる分野、生かせる仕事っていうのが増えてくるかなと思いますね。
西澤さんは実際に働いてみてどう感じてますか。
入社して6年目になるんですが、ちょうどこの前、自分がメインで進めていた現場がありまして、それが終わったときは達成感を感じましたし、楽しかったなって思いますね。自分がメインでやる現場はそこが初めてでしたし、責任感のある仕事だったので大変だったんですが、先輩たちのサポートもあって、なんとか終わって今はホッとしてます
お二人が入社して結構な年数が経つと思うのですが、職場の雰囲気はどのような感じでしょうか。また、ご自身が変化したタイミングはありますか。
私はまず、後輩が入ってきた瞬間に考え方が変わりました。そして、出世して役職を持った時に先輩だった人間が今度は上司になって、後輩が部下になる。そういう時は試されているなと、すごくプレッシャーを感じましたね。
私は大学では建築に全く関係ないことを学んでいたので、予備知識が全くない状態でこの会社に入りました。でも、この会社は若い人が多くて先輩も同世代の人が多いのでいろいろ聞きやすく、何も知らない状況で入ってきても助かる環境だったなと思いますね。
こんな風に若手がいっぱいいるから、その子たちが育っていけば、将来まで仕事を継続してやっていけるっていう自信があるよね。うちの会社は特殊なぐらい若手が多いもんで、そういう子たちを伸ばしていくことが私たちに課せられた使命だと思ってます。やりがいにもなってくると思います。
最後に
バブル崩壊後、同じような建築事業者がどんどん倒れていく中、色々なことがうまく噛み合ってここまで生き残っている大和ホーム工業さんには、パッとは見えない底力のようなものが感じられました。
今回、若手の小林さんと西澤さんに取材をした際に、おふたりとも楽しそうに仕事をされているなと思いました。若手が働きやすい環境を作り上げている要因は、福利厚生の制度はもちろん、社長と社員さんたちが社員教育の面で同じ方向を向き、上に引っ張っていこうという動きが会社全体にあるからだと思います。
このインターンシップを通して、企業の方々にお話を聞くのは初めての経験でしたが、大和ホーム工業さんのような企業を見ると就職が楽しみになりました。今後も企業の方々と関わるチャンスがあるならどんどん飛び込んでいって、いろいろなことを学んでいきたいです。

※短期取材型インターンシップは令和5年関東経済産業局における地域中小企業・小規模事業者の人材確保支援等事業で実施しました。
企業情報
社名 | 大和ホーム工業(ダイワホームコウギョウ) |
本社所在地 | 長野県松本市南松本1-2-6 |
会社設立年月 | 昭和39年10月16日 |
資本金 | 3000万円 |
社員数 | 19名 |
Webサイト | https://daiwa-hk.co.jp/ |