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医療学生の実習のリアル

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医療学生の実習のリアル

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こんにちは。ココロミー学生ライターのミズシマです。
医学部に興味はあるけれど、「実習って実際には何をするの?」「現場でうまくできるのかな」と不安に感じている高校生も多いのではないでしょうか。オープンキャンパスでは雰囲気は分かっても、実際の実習内容まではなかなか想像しにくいものです。

この記事では、私自身が大学で経験した病院実習と解剖学実習をもとに、現場でどんなことを学び、何を感じたのかを具体的に紹介します。教科書で勉強していた内容が、実習の中でどのようにつながったのか、違いを感じた場面も正直に書いていきます。

実習は不安もありますが、学びを実感できる貴重な時間でもありました。少し先の大学生活をイメージしながら、読み進めてもらえたらうれしいです。


病院実習では「見学→実施」で現場の基本を学ぶ

私が病院実習を行ったのは、2年生の10月〜1月にかけての病棟実習でした。実習は最初から学生が動くのではなく、療法士の方の指導のもと、まず見学を行い、その後に実際にやってみるという流れで進みました。現場での動きを見てから実施することで、なぜその動作が必要なのかを理解しやすかったと感じています。

印象に残っているのは、車いす操作を教えていただいた場面です。ただ押して移動するだけではなく、患者さんの安全を守るために確認すべき点が多くありました。点滴やカテーテルを巻き込まないように注意することや、フットレストに足がしっかり乗っているかを確認することなど、一つ一つに理由がありました。また、エレベーターに乗る際は後ろから入るなど、大学では実践できなかったことを、病院という現場でしっかり学ぶことができました。

血圧測定でも、授業で学んだ手順に加えて、実際の病院という緊張感のある環境だからこそ意識する点が多くありました。測定前には、点滴などが入っていないかを患者さんに聞いたり、腕に触れて確認したりします。そのうえで、きつくなりすぎないよう位置を意識してマンシェットを巻き、正確に測定することが求められていました。実際に患者さんを前にすると、授業とは違う責任の重さを感じました。

また、実習ではコミュニケーションの取り方も重要だと学びました。言葉だけでなく、患者さんの表情や話し方、話す速度などを観察することで、その人の状態を読み取ることができます。動作や測定だけでなく、人をよく見る姿勢が医療現場では大切なのだと、病院実習を通して実感しました。


療法士から直接学んだ「安全と配慮」の視点

病院実習を通して強く感じたのは、操作の正確さと同じくらい「安全」が重要視されているということでした。大学の授業では評価や手技を正しく行うことに意識が向きがちですが、病院ではその前提として、患者さんが安心して関われる状況をつくることが大切にされていました。

療法士の方の動きを見ていると、患者さんの体だけでなく、その人を取り巻く環境全体をよく見ていることに気づきました。点滴やカテーテルの位置、ベッド周囲の状況、移動時の導線など、少しの見落としが事故につながる可能性があります。実習では、こうした点を一つ一つ確認する姿勢を学びました。

また、声かけ一つにも意味があることを実感しました。これから行う内容を伝えることで患者さんは安心して動くことができますし、表情や言葉から意思を読み取り、それを尊重することで信頼関係が築いていけると感じました。技術だけでなく、相手の気持ちに配慮する姿勢が医療現場では欠かせないと思います。

こうした安全や配慮の視点は、教科書だけではなかなか学べない部分です。実際の現場で療法士の方や先生から直接教えていただいたからこそ、知識としてではなく、実感を伴って理解することができました。


解剖学実習で改めて「体の構造」を実感した

解剖学実習では、これまで教科書や図で学んできた人体の構造を、実際に自分の目で見て、手で確かめながら学びました。授業で覚えてきた知識が本当に正しいのかを、実物を通して確認できる貴重な機会だったと感じています。

実習では、まず皮膚をはいで脂肪組織を取り除き、その下にある筋を一つずつ同定していきました。筋を辿りながら起始停止を確認すると、教科書に載っていた図と同じ構造が目の前にあり、強い感動を覚えました。頭の中で理解していた知識が、実際の体と結びついた瞬間だったと思います。

実際に触れて学ぶことで、筋の位置関係や重なり方、厚みなど、図や写真だけでは分からなかった点にも気づくことができました。見るだけでなく、手で確かめることで理解が深まり、記憶にも残りやすくなったと感じています。

解剖学実習を通して、人体は決して平面的なものではなく、立体的に複雑に構成されていることを実感しました。この経験は、これからの学習や実習で体の構造を考える際の大きな土台になっていくと感じています。


教科書と臨床で「評価の仕方」はこう違った

病院実習を経験して感じたのは、授業で学んできた評価方法と、実際の臨床現場で行われている評価には違いがあるということでした。どちらが正しいというわけではなく、目的や状況に応じて使い分けられているのだと実感しました。

大学の授業では、全身の関節可動域を一つ一つ測定したり、筋力評価を細かく行ったりする実習を行います。時間をかけて丁寧に評価することで、体の状態を正確に理解することが目的でした。基礎を身につけるためには、とても大切な学習だと思います。

一方、臨床の現場では、まず大きな関節や筋群を中心に簡易的な評価を行っていました。そのうえで、必要があると判断された場合に、さらに詳しい評価を追加していきます。限られた時間の中で、安全かつ効率よく情報を得ることが重視されていると感じました。

実習を通して、学校で学んだ細かな評価方法が無駄になるわけではなく、その知識があるからこそ臨床での判断ができるのだと分かりました。授業での学習が土台となり、現場で活かされていることを実感できた経験でした。


実習前に知っておくと安心なこと

病院実習や解剖学実習を経験して感じたのは、実習前の不安は誰でも抱くものだということです。私自身も、うまくできるのか、現場で迷惑をかけてしまわないかと心配していました。しかし、実際に実習に入ってみると、その不安が学びにつながる場面も多くありました。

特に大切だと感じたのは、これまでに学習した内容を復習しておくことです。実習では、授業で学んだ評価法や知識が実際に使われている場面を目にします。知っている内容が現場で結びつくことで、「勉強してきたことは無駄ではなかった」と実感でき、学習へのモチベーションにもつながりました。

また、分からないことは積極的に質問する姿勢も重要だと思います。先生からは、実習は初めて経験することなので、最初から完璧にできなくて当然だという話もありました。疑問をそのままにせず質問することで理解が深まり、より多くの学びを得ることができました。

実習は、正解を出す場というよりも、さまざまなことを「体験しに行く」場なのかもしれません。不安があっても一歩踏み出すことで、学びが広がっていくと感じました。


まとめ

病院実習や解剖学実習を通して、医学部での学びは、教科書の知識を実際の場面と結びつけながら深まっていくものだと感じました。実習は緊張する場でもありますが、その分、学びを実感できる時間でもあります。

この記事で伝えたかったポイントは、主に次の3つです。

・病院実習では、見学から実施へと段階を踏み、安全や配慮を大切にしながら学んでいくこと
・解剖学実習では、実物に触れることで、教科書では得られない理解や実感が得られること
・授業で学んだ知識は、形を変えながら臨床の現場でしっかり活かされていること

実習を経験して感じたのは、自分一人で学んでいるのではなく、多くの先生方や医療従事者、患者さん、そしてご献体となってくださった方々の支えによって学びが成り立っているということでした。そのことに改めて気づき、より覚悟をもって学び続けたいと思うようになりました。

もし今、不安を感じているなら、今日できる次の一歩として、気になっている学科の実習内容を大学の公式サイトで一度確認してみるのも良いかもしれません。少しずつ具体的なイメージを持つことが、進路を考える助けになると思います。

この記事を書いた人

ミズシマ

信州大学医学部保健学科2年。 リハビリテーション学生。