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職人の五感と最新鋭技術が出会う。鋳物の一貫対応で日本のものづくりを支える「伸和工作」の現場を訪ねて
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こんにちは!ココロミー学生ライターのかんちゃんです!
ココロミーでは、学生が地域の企業を訪れ、働く人の思いや職場のリアルな魅力を、学生ならではの目線で紹介しています。
今回訪れたのは、箕輪町に工場を置く「株式会社伸和工作」。創業から60年以上受け継がれてきた技術と、5軸加工機などの先端設備を組み合わせ、高品質な製品を生み出すものづくり企業です。

設計から加工、検査まで一貫して対応する強みや、若手の育成、年間休日128日という働きやすさ、そして見た目にもこだわった工場に込めた思いについて、宮沢秀明社長と新入社員の武田さんにお話を伺いました。
なお、今回の取材は、信越放送(SBC)の番組「グッジョブ信州!~働く人のための企業見学」とのコラボ企画です。SBCが取材した伸和工作の仕事や職場の様子も、YouTubeの映像で詳しく紹介されています。記事とあわせて、ぜひご覧ください!
鋳物の「一貫対応」が生み出す強み
本日はよろしくお願いします!まず、伸和工作さんがどのような会社なのか教えてください。
こちらこそよろしくお願いします。当社は、私の父が1964年に岡谷市で創業しました。自宅の横からスタートし、工場が手狭になったため、2007年に現在の箕輪町へ移転しています。
もともとは、鋳造用の型をメインに作っていた会社です。当時、諏訪地方には鋳物を扱うメーカーが多い一方で、型を作る会社は少なかったそうです。父が独立を考えた際に、「型屋さんが少ないぞ」とアドバイスをいただいて始めたと聞いています。

地域のものづくりに必要とされる仕事から始まったのですね。「鋳造」とは、どのような技術なのでしょうか。
鋳造とは、熱で溶かした金属を型の中に流し込み、冷やして固めることで、目的の形を作る技術です。たい焼きの型に生地を流し込むところを想像すると、分かりやすいと思います。
複雑な形の金属部品を作りやすく、自動車や産業機械など、さまざまな分野で使われています。当社は型作りを原点に、現在は設計や機械加工、検査まで幅広く対応しています。
真空ポンプや産業用ロボット、医療機器などに使われる部品も手がけています。
なるほど!私たちの生活や産業を支える、さまざまな製品につながっているのですね。

一般的な鋳造業界では、「鋳造は鋳造」「加工は加工」と、工程ごとに別の会社が担当することも多いんです。
そうすると、それぞれの立場から「もっと作りやすい形なら」「こうすればもっと安くなるのに」という課題が出てきます。
当社では、最初からメーカーさまと話をして、素材を作る際の難しさを解消できる形を考えます。その後の加工方法や検査方法まで、まとめて提案できることが強みです。
一貫して対応することで、コストを抑えながら、高い品質の製品を提案できるのですね。

「匠の五感」と「最新鋭のデジタル」の融合
鋳物は、とても歴史の長い技術だそうですね。
金属を溶かして砂などで作った型に流し込む工法は、エジプトの壁画にも描かれているほど歴史があるそうです(笑)。
それだけ長く続いているということは、これからもなくならない技術だと思います。そうした普遍的な技術と、新しい加工技術を組み合わせていきたいですね。

私が考える「匠の技術」は、基本的には五感です。加工する時の音を聞く、振動を感じる、触って揺れを確かめる、いつもと違う匂いに気づく。体でしか分からないことなんです。
私が現場にいた頃は、金属などに穴を開けるボール盤の感覚をつかむだけでも、10年くらいかかりました(笑)。
10年!簡単には数値化できない、職人の世界ですね。一方で、最新鋭の技術はどのように使われているのでしょうか。
当社には5軸加工機があります。上、横、斜めといったさまざまな方向から加工でき、一度セットすれば複雑な形も連続して削ることができます。
大切にしているのは、「プログラムを作る人と、加工する人を同じにする」ことです。自分でプログラムを作って加工し、その塩梅を肌で感じてもらいます。

機械加工をよく知るベテランほど、「本当にこの動きで大丈夫かな」と慎重になることがあります。反対に、デジタルに慣れた若い人は、「CADで形ができているから、ボタンを押せばその通りになる」と思い切って進められるんです(笑)。
ベテランが若手から気づきを得ることもあるのですね!職人の経験と若い世代のデジタルへの強さが、互いに良い影響を与えているのだと感じました。
僕も今は、先輩に教えていただきながら検査の仕事を覚えています。まず手順を順番に教えてもらい、その後は自分でやってみて、分からないところをフォローしてもらう形です。
「いつまでにできなければいけない」というプレッシャーはなく、少しずつ自分で考えながら覚えられます。

働く人と地域のために生まれたオフィス
今お邪魔している事務所も、いわゆる「町工場」とは違い、とてもきれいで驚きました!
岡谷市にいた頃は会社も小さく、従業員を募集してもなかなか来てもらえませんでした。そんな時に先輩から言われたのが、「見た目が大事だぞ」ということだったんです(笑)。

もともと事務所は工場の中にありましたが、手狭になっていました。ただ、工場を広げるにはかなり費用がかかります。
建築士をしている後輩に相談したところ、「事務所だけ外に出せばいいんじゃないか」と提案してくれたので、「だったら、かっこいいものを作ってくれ」とお願いしました(笑)。それが、2019年に完成したこの事務所です。

働く人に「ここで働きたい」と思ってもらうことはもちろん、地域の方にも「あそこはちょっといい会社だな」と感じてもらいたい。移転を受け入れてくださった地域への恩返しという思いもあります。
採用のためだけでなく、地域への思いも込められているのですね。

最新鋭設備が並ぶ工場に潜入!
ここまでお話を聞いて、最新鋭の設備がある工場を実際に見てみたくなりました。見学することはできますか?
もちろんですよ!
ということで、工場見学をさせていただけることに!
武田さんに案内していただきながら、実際に製品が作られている現場を見ていきます。
本当にきれいです!広々としていて、大きな機械がずらりと並ぶ光景は圧巻ですね。ここでさまざまな製品が作られているんですね。


工場内で特に目を引いたのが、2台の5軸加工機です。
一般的な加工機が縦・横・奥行きの3方向に動くのに対し、5軸加工機は製品や刃物を傾けることもできます。上、横、斜めなど複数の方向から削れるため、一度セットするだけで複雑な形状を加工できるそうです。

想像していた以上に大きな機械です!操作画面にもたくさんの情報が表示されていて、なんだか複雑そうですね……。
機械の中をのぞくと、大きな金属の塊が少しずつ削られていました。

こんなに大きな金属が、削られることで精密な型や部品に変わっていくんですね……!実際に目の前で見ると、ものづくりのスケールの大きさを感じます。
続いて案内していただいたのは、完成した製品の大きさや形を確認する検査室です。

金属製品は、温度によってわずかに伸び縮みします。そのため、正確に測定できるように、検査室は年間を通して20度程度に保たれています。
部屋の温度まで管理されているんですか!加工するだけでなく、検査する環境にも細かな工夫があるのですね。
僕はこの春に入社したばかりですが、先輩に確認してもらいながら、ここで検査の仕事を覚えています。

入社前は、製品が完成した後に、ここまで環境を整えて細かく確認しているとは知りませんでした。実際に働いてみて、正しく測って品質を確かめるところまでがものづくりなのだと分かりました。
作って終わりではなく、最後に正確さを確認して初めて製品が完成するのですね。工場を歩いてみて、一つの製品に多くの技術と人の手が関わっていることを実感しました!
品質を支えるのは「コミュニケーション」
工場見学、ありがとうございました!高い品質の製品を作るために、特に意識していることはありますか?
当社が一番大切にしているのは、実は「コミュニケーション」です。
当社の仕事はいくつもの工程がつながっています。前の工程の人は、次の人が仕事をしやすいように考えなければなりません。
「こうした方がいいかもしれない」と思ったら、最初に声をかける。心配なことをそのままにすると、不良につながる可能性があります。気になったことをすぐに聞くことが、品質向上には一番大切です。

技術や設備だけではないのですね。武田さんは、検査中に判断に迷った時、どのようにしていますか?
分からないまま進めず、先輩に確認しています。先輩は質問すると必ず答えてくれるので、相談しやすいです。
聞くことで、次に同じような製品を検査する時に、どこを見るべきかも分かります。自分で考えながら仕事を進め、少しずつできることが増えていくところにやりがいを感じています。
先輩に確認する武田さんの姿勢や、次の工程を思いやる声かけも、品質を支えているのですね。
新入社員が感じた仕事のリアルと、未来の仲間へ
改めて、武田さんが入社を決めた理由や、実際に働いて感じたことを教えてください。
僕は伊那市に住んでいて、地域の会社に就職したいと考えていました。伸和工作を見つけ、まず年間休日の多さに惹かれました。
会社見学では、事務所や工場のきれいさに加え、社内の風通しや人間関係の良さも感じ、入社を決めました。

入社前は、服や顔が汚れたり、体力的にきつかったりする仕事が多いのかなと思っていたんです。でも、僕は検査を担当していることもあり、大きく汚れることはあまりありません(笑)。
重い製品もありますが、想像していたような「きつい仕事」とは違いました。
年間休日も128日あり、働く環境を重視する学生にとっても魅力的ですね。
有給休暇はアプリで管理されていて、上司に伝えれば取得できるとのこと。有給を使い切る社員も多く、休みを取りやすい環境が整えられています。
また、給与が支払われる試用期間や、希望に合わせて半日から数日間参加できるインターンシップも用意されています。実際の仕事や職場の雰囲気を知ってから、就職を考えられるのは学生にとって安心できるポイントです。
最後に、伸和工作さんが求める人物像を教えてください。
求めているのは、「明るく元気な人」。これだけです!
営業でも製造でも、必ず人と顔を合わせます。元気にあいさつができて、明るく対応できることが一番大事です。

専門知識は入社してから覚えれば大丈夫です。優しい人が多い会社なので、周囲への優しい気持ちを持った方に来てもらえたらうれしいですね。
小さな会社だからこそ、一人ひとりの能力を存分に発揮できる環境があります。ぜひ若い皆さんの挑戦をお待ちしています。
素敵な職場に込められた、人と地域を思う熱意
今回の取材で最も印象に残ったのは、2019年に建てられたモダンできれいな工場でした。その背景には、「採用活動で良い仲間に巡り合いたい」「地域の方々に愛される会社でありたい」という宮沢社長の温かい思いが込められています。
また、「製造業は汚れる、きつい」というイメージが、きれいな環境や5軸加工機などのデジタル技術、未経験の若者を歓迎する風土によって払拭されていることも印象的でした。
昔から続く鋳造の技術を受け継ぎながら、次の工程を思いやるコミュニケーションを大切にし、若手とベテランが力を合わせて新しい時代を切り拓いていく。伸和工作の現場には、日本のものづくりの明るい未来の形がありました。
宮沢社長、武田さん、貴重なお話と工場見学の機会をいただき、ありがとうございました!

| 会社名 | 株式会社伸和工作 |
| 本社所在地 | 長野県岡谷市天竜町3-6-1 |
| 設立 | 1964年1月 |
| 代表者 | 宮沢 秀明 |
| 主な事業 | 鋳造用型の設計・製作、三次元NC加工、機械加工など 設計から型製作、鋳造、加工、検査までの一貫対応を強みとする |
| Webサイト | https://sinwakosaku.co.jp/ |
| 採用サイト | https://sinwakosaku.co.jp/recruit/ |