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【ワインの話】文化的にイキろう‼ 明日デートで使えない‼ワイン知識‼
- #グルメ
まず、なぜワインなのか?
答えは知らないとあまりにもったいないからです。あと知っているとモテそうだから。僕らが暮らすこの長野で、ワインに触れ合う機会は日常に偏在しているのに、格調高いそのイメージや世間で見るワインの価格などから避けてしまうのはあまりにもったいないと思ったからです。
ある人曰く、キリストの血
ある人曰く、神の蜜
ある人曰く、世界史を駆動してきた原動力
荘厳な言葉で飾られるこの飲料に人間は何を見出してきたのかという、あくまで自由研究の一環としてワインの勉強を始めました。なので、ワインのことについてわずかでも興味がわいたあなたの時間を少しお借りして、ワインの話をしようと思います!
初めまして、ココロミー寄稿者の森と申します!
うんちくを披露すること、もしくは通ぶることは人類の根源的な欲求なのではないのでしょうか。例えば最近、真面目な生物系の本も多数書かれている更科先生がこんな本を出版なさいました。
「読んだふり」と「うんちくを披露する」には天と地ほどの開きがあるのはわかっているつもりですが、僕にはこの書影を見て、誰もが知識で面白可笑しくマウントをとる欲求を心に抱えているのではと、邪推せずにはいられませんでした。
社会的に見て、うんちくをひけらかす行為はマウンティングに当たり、対等な関係の構築を目指す好きな人とのデートではトップクラスにダメな行為に当たると思います。しかしどうしても言いたい大学生諸君!!
今日はワインの本当に簡単な概観といくつかの知識を伝授しますのであとは好きにやっちゃってください!!
そう。今日扱うのは、明日デートで使えないワイン知識入門だ!!!
型を崩す資格を得るにはまず型を得てから。まずはじめは 簡素なワインの概観からやっていきましょう。ワインには代表的な4つのタイプ、代表的な4つの色があります
- スティルワイン
- フォーティファイドワイン
- スパークリングワイン
- 貴腐ワイン
スティルワイン
おそらく一般的なワイン。スティルは英語のstill落ち着いたという理解でいい。発泡しない、普通だとされているワイン。
フォーティファイドワイン
酒精強化ワイン。ワインに主に用いられる酵母S.セレビシエはアルコール度数14近辺でおっちぬので14度を超える純粋なワインはないと言っていい。そこでアルコールを添加するスペインのシェリーワイン。ポルトガルのポートワイン、マデイラワインがこれにあたる。
スパークリングワイン
おおむね白ワイン。このうち、フランスのシャンパーニュ地方で作られたものをシャンパンと言う。炭酸については添加されたものと添加せず、通常の発酵過程のみから発生させたものがある。
貴腐ワイン
ブドウに灰色カビ菌が付着したブドウから作られる。果実の水分が減っているのでねっとりとしてより甘く、高級なものが多い。
- 赤
- 白
- ロゼ
- オレンジ

赤ワイン
ワインと言われてポンと出てくるのは赤ワインの色なんじゃなかろうか。あの色は赤、黒ブドウの果皮から出てくる色で渋み成分のタンニンを豊富に含む。赤身肉と合わせるとタンニン成分と肉の血が舌の上で凝縮し、双方いい感じになる。

白ワイン
白ワインの定義は白ブドウを使っているかではなく、果実のみを使っていることなので赤、黒ブドウを使っていても白ワインが成立する。白身肉とよく合う。

ロゼワイン
白と赤の中間。作り方が4種類あり、「白と赤混ぜただけじゃん」ではないよ。そのcuteな見た目から甘いのかと思われがちだが最近は辛みの強いものも多い。

オレンジワイン
黒ブドウの白ワインがある。と先ほど触れたが、白ブドウの赤ワインはあるのか?その問いがオレンジワインだ。白ブドウの果皮を一緒に絞り出し、発酵させるとこれができる。酸味の強いブドウが好まれ、タンニンと強い酸味の両輪で特異なポジションを有している。インド、韓国料理とも合うらしい。
もうこれだけで情報量としては十分という人もいるでしょう。でもここまでを知っただけでもかなりイキることができて普段の食事がわずかに楽しくなると思います。
これをお読みの方にはどうか真似してほしくないのですが ディナーデートの一般系に沿ってどこで、どのようにうんちくをひけらかすことができるかを見て行きましょう。

(夜。大学近くのビストロ。テーブルのキャンドルがグラスに映りこむ)
「メニュー迷うね。どれも“ちょっと背伸び”って感じ」
「うん。僕はこの“ローストチキン レモンバターソース”が気になるな。ソースがBeurre citronnéって書いてある」
「え、なにそれ?」
「あ、いや、フランス料理のソースでね。冷たいバターを乳化させて作るんだ。焦がさずに仕上げるのが難しくて、レモンで酸味を整える。いわば“液体の緊張感”だよ」
「え、なんか詩的(笑)」
「で、こういうソースには軽い白が合う。樽を使ってないシャブリとか。酸が鋭くてミネラル感がある。海の近くの土壌だから、ほのかに“石の味”がするんだ」
「石の味……? 飲んだことないけど、なんかすごそう」
「あ、あとね、トカイ・アスーって知ってる? ハンガリーの貴腐ワイン。ルイ14世が“王のワインにしてワインの王”って呼んだやつ」
「そんな名前のつけ方あるんだ(笑)」
「甘口なんだけど、香りが蜂蜜みたいでね。熟成すると紅茶と干し杏の香りが立ち上がる。いつかあれをチーズと合わせて飲んでみたいんだ」
「……詳しすぎる(笑)」
(店員が料理とワインを運んでくる)
「チキン、いい匂い。皮パリパリだね」
「おお、完璧な焼き色。これなら白の酸が脂を切ってくれる。——あ、グリル野菜もいい。焦げ目の香ばしさがワインの還元香とぶつからなきゃ最高なんだ」
「……なんか、すごい専門用語出た気がするけど(笑)」
「ごめん、つい。ワインの話になると、ちょっとテンション上がっちゃうんだ」
「うん、わかる。……でもなんか、楽しそうでいいね」
(グラスを合わせる)
「乾杯」
「うん、乾杯。……“液体の緊張感”ってやつ、ほんとだ。ちょっとドキドキする味」
「でしょ?」
こうはなりたくない。
言い訳として、僕の持ちうる限り最もヘビーなうんちくをAIに突っ込んで会話劇を出力させました。誓って僕が書いたわけではありません。信じてください。
ここまでのものを見せられてデートに使いたいと思う方はいないと信じています。誰かに話すことはないとしてもワインを嗜んだ時に心の中で思い出してうれしくなってくれれば幸いです。