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“中立”を武器に、お金の不安に向き合う。生活経済研究所長野の講師という仕事
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こんにちは!ココロミーの学生ライターをしている、信州大学繊維学部のバッシーです。
学生ならではの視点で県内企業の魅力を深掘りする会社訪問インタビュー。今回お邪魔したのは、松本市島立にある「生活経済研究所長野」。FP(ファイナンシャル・プランナー)資格を持つ講師が在籍し、全国の大手企業で働く労働組合の組合員に向けて、お金や生活設計の講演を提供する、少し珍しい会社です。
「中立で、金融商品を販売しない」という独自のスタンスを掲げる同社で、所長の塚原哲さん、講師の岡崎宗一さん、人事の近藤博美さんにお話を伺いました。
「売らない」からこそ、まっすぐ伝えられる

本日はよろしくお願いします。まず、生活経済研究所長野のお仕事は、ひとことで言うとどういったものなんでしょうか。
ひとことで言えば、大手企業の労働組合さんに向けて、お金や生活設計に関する講演を提供する会社です。労働組合というのは、その企業で働く人たちが力を合わせて、より良い職場づくりを目指すための団体のことですね。
講演では、ライフプラン、保険、資産運用、税金、不動産、相続といったFPの分野に加え、相互扶助や共済など、労働組合に関わる内容も扱っています。会場での講演、リアルタイム配信、オンデマンド配信など、届け方もさまざまです。
Webサイトに「中立で、金融商品を販売していない」とあるのが印象的でした。これにはどういった意味があるんでしょうか。
たとえば保険会社の方に「どの保険がいいですか?」と相談したら、基本的にはその保険会社で取り扱っている保険商品をおすすめされますよね。銀行も証券会社も同じで、その会社の自社商品や、高い手数料を取れるものを売りたくなる。会社が儲かるときにお客さんは損する、ということが起こりやすいんです。
なるほど、利害がぶつかってしまうんですね。
そうです。講演をする私たちが金融商品や保険を売ってしまうと、どこかの会社に傾斜した発言になってしまって、講演を聴きに来てくださる方に公平な情報をお伝えできなくなります。だから、わざと売らないようにしているんです。「常に中立な立場で情報をお届けする」。これが、生活経済研究所長野の一番の前提です。
きっかけは、組合員への個別相談。講師の仕事が生まれるまで

会社を立ち上げた経緯も伺いたいです。塚原さんは、もともとセイコーエプソンのエンジニアだったそうですね。
はい。金融システムを作る部署にいたので、私を含めて多くのメンバーがFPの資格を持っていました。そんな中で、たまたま私が労働組合の役員になったときに、最初に担当したのが「組合員さんのご家族が亡くなられたので、今後の生活についてサポートしてほしい」という相談だったんです。
最初から、かなり責任の重い相談だったんですね。
そうですね。個別相談の経験もほとんどない中での対応だったので、正直、不安もありました。でも、目の前の方の力になりたいと思って一生懸命向き合っていたら、「あの人はお金のことを相談できる人らしい」という話が、労働組合の中で少しずつ広がっていったんです。
同じ頃に、「外部の講師を呼ぶほどではない少人数の拠点でも、お金に関するセミナーを開けないか」という話も出てきました。当時の私は28歳で、人前で話すのが得意だったわけではありません。それでも、参加する方から見れば、外部講師と同じように役に立つ話を期待されます。だから、機材を借りて自宅で練習するくらい、本気で準備をしました。
そうして講演を重ねていくうちに、外部の有名講師だけでなく、私の講演にも多くの人が集まるようになっていきました。内部の人間か、外部の講師かという肩書きではなく、本当に役に立つ内容かどうかを、参加者の皆さんはとても公平に、そしてシビアに見ているんですよね。それを体感したのが、この仕事の出発点です。
「役に立つかどうかを見られている」というのは、身の引き締まる言葉ですね。講師として成長していくうえで、大切にしていることはありますか。

私が大事にしているのは、「1日1ミリ」という言葉です。昨日より今日の自分のほうが、1ミリでも良くなるように意識しています。1ミリと聞くと小さく感じるかもしれませんが、1年間続けたら365ミリ、10年で3メートル65センチ。これは、簡単には追いつけない差になりますよね。
だからこそ、1日1ミリずつ成長していくことを大切にしています。若い人にも、周りの励ましだけでなく、本人が「できた」「うまくいった」と感じられる成功体験を少しずつ積み重ねながら、自信をつけていってほしいですね。
看護師から、お金の講師へ。異業種からの挑戦
続いて、講師の岡崎宗一さんにお話を聞きました。岡崎さんは信州大学医学部保健学科のご出身。附属病院の救命救急センターで看護師として勤務した後、生活経済研究所長野に転職されたそうです。

看護師からお金の講師へ、というのはかなり大きな転身ですよね。どのようなきっかけがあったのでしょうか?
きっかけは、当時この会社で講演動画を編集するアルバイトをしていた友人が、「よかったら一度、話を聞きに来てみない?」と声をかけてくれたことです。
もともと学生時代から、お金の勉強をしてみたい気持ちはありました。ただ、医学部では金融やライフプランについて学ぶ機会があまりなくて。それを友人が覚えていてくれたんです。
まったく違う分野に飛び込むことに、不安はありませんでしたか?
もちろん不安はありました。でも、いろいろな世界に目を向けてみたい気持ちがずっとありました。まずは一度飛び込んでみて、そこから考えてみよう、という感覚だったのかもしれません。
看護師の仕事では「傾聴」が大切でしたが、今の仕事では、難しい制度やお金の話を分かりやすく「伝える」ことが求められます。そこは入社してから特に意識してきた部分です。
講師のお仕事は、人前で話す以外にもやることが多いのでしょうか?
実は、その前段階が本当に大きいんです。税金、年金、社会保険、住宅、介護など、扱うテーマは幅広くあります。制度改正が組合員さんの生活にどう影響するのかを調べ、資料にまとめ、台本を書き、スライドを整えて、ようやく90分の講演になります。ステージに立って話している時間よりも、準備にかけている時間の方がずっと長いですね。

講演の裏側には、かなり地道な準備があるんですね。印象に残っているお仕事はありますか?
一番印象に残っているのは、最初の登壇です。本来は翌週がデビュー予定だったのですが、機材トラブルがあり、急きょピンチヒッターとして出ることになりました。当日のことは正直あまり覚えていません(笑)。早口になりすぎて時間が余ってしまいましたが、「なんとかやりきった」という感覚は、今でもよく覚えています。

かなり印象的なデビューだったのですね。最後に、講師として目指していることを教えてください。
「分かりやすかった」と言っていただけるのはもちろん嬉しいです。でも、本当に目指したいのは、聴いてくださった方が実際の行動につなげてくれることです。いつか「あのとき、あの講演を聴いていたから今がある」と思ってもらえる日が来たら、講師として最高に嬉しいですね。

未経験でも変わる。講師体験で見えた「育てる力」
中立な立場でお金の情報を届けるには、正しい知識だけでなく、分かりやすく伝える力も欠かせません。
その「伝える力」を磨く現場として案内されたのは、照明やカメラ、音響機材がそろった本格的なスタジオ。実際にここから全国へ向けて講演を配信していると聞き、思わず「え、ここから配信しているんですか……?」と声が出てしまいました。

そんなスタジオで、塚原さんから放たれた一言。
せっかくだから、講演をやってみますか?
私が以前、大学の授業で発表したスライドを使い、講師体験をさせていただけることになりました。流れは「ビフォー → 塚原さんのお手本 → アフター」の3段階です。

まずは、何も教わっていない状態での発表。久しぶりの発表で、しかも目の前にいるのはプロの講師。どこを見て話せばよいのか、どのタイミングでスライドを進めればよいのか、自分でも分からなくなってしまいました。
続いて、塚原さんのお手本です。

驚いたのは、使っているスライドは私が作ったものと同じなのに、伝わり方がまったく違ったことです。話す順番、間の取り方、視線の向け方、スライドの出し方。その一つひとつに、きちんと理由がありました。
特に印象に残ったのが、アニメーションの使い方です。塚原さんによると、アニメーションは飾りではなく「視線誘導」のために使うもの。聞き手に「今、ここを見てほしい」と自然に伝える技術なのだそうです。

そして、いよいよアフターです。
教わったことを意識しながらもう一度発表してみると、自分でも驚くほど話しやすさが変わりました。スライドの見せ方、手の動き、話のつなぎ方を少し意識するだけで、聞き手に伝える感覚がまったく違ったのです。

もちろん、数十分でプロの講師になれるわけではありません。それでも、「何を直せばよいのか」を具体的に教えてもらえるだけで、未経験でも確実に変わっていけるのだと実感しました。
塚原さんが話していた「プレゼンはセンスではなく、技術で変わる」という言葉が、ここで一気に腹に落ちました。

その後は、撮影した自分の発表動画を使った編集体験もさせていただきました。講演は、話して終わりではありません。撮影した映像を見直し、字幕を入れ、配信やオンデマンドでも見やすい形に整えていく。講師の仕事には、話す力だけでなく、届け方まで考える力が必要なのだと感じました。

実際に体験したプレゼンの様子は、動画でもご覧いただけます。
「やってみたい」を、プロへの一歩に変えてくれる会社
実際に講師体験をしてみると、講師の仕事は「人前で上手に話せる人だけができる仕事」ではないのだと感じました。
では、新卒で入社した場合、どのように講師として育っていくのでしょうか。最後に、人事を担当する近藤博美さんから、採用や働き方についてお話を聞きました。近藤さんは、もともとパートとして生活経済研究所長野に入り、その後、自ら手を挙げて講師にも挑戦した経歴の持ち主です。
新卒で入社した方は、最初の1年でどんなことを経験するのでしょうか?
まずは、いろいろな会場に同行して、実際の講演を見てもらうところから始まります。いきなり一人で登壇するのではなく、先輩講師の話し方や会場での準備、参加者の反応を体感してもらいます。
そこから少しずつ、テキストの構成を考えたり、スライドを作ったり、動画編集を体験したりしながら、講師の仕事全体を覚えていくイメージです。

専門知識がない学生でも大丈夫なのでしょうか?
もちろん大丈夫です。お金の知識も、講師としての話し方も、入社してから少しずつ学んでいけます。
私自身も、最初から講師として入ったわけではありません。パートとして働く中で「私もやってみたいです」と言ってみたら、周りの皆さんが応援してくれて、数か月後には登壇する機会をいただいていました。
この会社は、「やってみたい」と手を挙げた人を応援してくれる会社だと思います。最初から完璧である必要はありません。いろいろなことに興味を持って、挑戦しながら、自分の可能性を広げていきたい人に来てもらえたら嬉しいですね。
1年後、2年後に活躍できる場所へ

最後に、学生読者へのメッセージをお願いします。
最近、20代の方と接する機会が増えて、私自身の考えも変わりました。以前は、講師として安定感や説得力を出すには、30代・40代になってからの方がいいと思っていました。でも実際には、若くても驚くほど学び、力をつけている人がいます。
この仕事は、とても公平です。年齢に関係なく、実力があれば呼ばれます。もちろん、その分シビアな世界でもありますが、若い人にとっては大きなチャンスでもあります。
この会社であれば、10年後ではなく、1年後・2年後に講師として活躍するチャンスがあります。そんなスピード感に興味のある方は、ぜひ来てください。
この会社に興味を持った学生は、どこから連絡を取ればよいでしょうか?
定期的に説明会を開いており、マイナビの求人ページから予約ができます。少しでも興味がある方は、ぜひ説明会に来てみてください!
本日はとても面白いお話をたくさん聞かせてくださり、ありがとうございました!
企業情報

| 企業名 | 生活経済研究所長野(運営会社:エフ・ピー・アイ・ジェイ株式会社) |
| 設立 | 2001年(平成13年)12月21日 |
| 所在地 | 〒390-0852長野県松本市島立303-1 松本ヤマトビル6F |
| 事業内容 | ・講演 ・セミナー事業 ・執筆事業 ・調査・研究事業 ・コンサルティング事業 |
| Webサイト | https://fpi-j.com/ |
| 採用サイト | https://fpi-j.com/about/#recruit |