長野県の学生向けお役立ち記事まとめ 【ナニコレ信州企業#6】信大生が見た!部品加工企業のリアルとその未来!【株式会社牛越製作所】
【ナニコレ信州企業#6】信大生が見た!部品加工企業のリアルとその未来!【株式会社牛越製作所】

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【ナニコレ信州企業#6】信大生が見た!部品加工企業のリアルとその未来!【株式会社牛越製作所】

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皆さんこんにちは!シンダイガイドのまゆです!

皆さんは11/16に開催された「大しごとーくin信州」には参加しましたか?

大しごとーくは、学生が「生き方・働き方」を考えるきっかけづくりの場として、2018年から始まった信大主催のキャリアトークイベントで、毎年長野県内の多くの企業と学生が参加しています。

詳しく知りたい方はこちらをチェック!

今回は、そんな大しごとーくの企画の一環で、岡谷市にある企業「株式会社牛越製作所」さんに潜入取材してきました!

牛越製作所さんは今年初めて大しごとーくに参加されました。もしかしたら当日お話を聞いた方もいるかもしれないですね!

一体どんな企業なのか、どんな想いを持ち、どんな未来を描いているのか、学生目線でしっかり取材してきたので、大しごとーくに参加できなかった人はもちろん、参加した人も必見です!

牛越製作所は部品を作る会社だけど…

牛越製作所は、様々な機械や装置に入っている部品を作る部品加工専門の企業ですが、部品を作っている会社と聞くとどんなイメージがありますか?

個人的には、部品というとどこでどんな風に使われているかよくわからなかったり、製造過程がちょっと地味そうだったりと、ややネガティブなイメージを持っていました(僕が単純に世の中を知らないという説もありますが…)。

取材前に知っていた情報は、岡谷市にある企業さんということと、部品を加工している企業であることの2つのみ。そんな僕が取材を通して知ったことや感じたことをありのままにお伝えします!

部品を作る会社のイメージが変わる!?

牛越製作所は岡谷市の諏訪湖に程近い場所にあります。昭和56年から続く企業で、現社長の牛越弘彰さんは2代目。

試作から中量産(多品種小ロット~量産品)までを中心にした精密金属加工(樹脂・難削材含む)を主軸にした事業を展開しています。また、現在では地域課題解決をテーマに自社ブランド製品を企画、開発、生産し、自ら販売するという事業にも取り組んでいます

まずは社長の牛越さんから牛越製作所についてお話を聞きました!

牛越弘彰社長

本日はよろしくお願いします!

よろしくお願いします。
当社は部品を作る会社ですが、部品って聞いてもどこに使われているかわからないですよね。

すいません、よくわからないです。

組立用治具、光学関連、センサー関連機器、航空関連、ロボット部品、医療機器、印刷関連、半導体検査装置、精密加工部品などなど様々な分野の製品や機械に組み込まれる部品を加工してます
EPSONさんやYOKOGAWAさんなど大手企業さんとも取引をさせていただいてます。

牛越製作所で作られた部品の一例

実際に使われている例で言うと、つい最近では、東京電力福島第一原発で初めてデブリの取り出しに使われたロボットアームの主要部品に、当社で加工した部品が使われていたり、月極域探査機の部品なども試作したりしています。

また、ここ最近力を入れているのが自社開発分野でラジコン草刈り機「かるずらーKZ-05」や、高所作業用ロボット作業ツールを自社で1から設計開発しました。
ラジコン草刈り機「かるずらーKZ-05」は長野県でも取り上げていただきました。

最先端なところから身近なところまで、いろいろなところに使われているのですね!

かるずらーKZ-05の紹介動画
ロボットが使ういろいろなツールを開発しています

部品加工現場に潜入!

実際に工場に潜入させていただきました!

工場全体の様子

工場は大きく5つの区画に分かれていて、特に目を引いたのは金属素材から加工機で部品に削り出したり、複雑な切断加工をしたり、平滑性を出したりする加工部門でした。その他にも、検査をする部門などもありました。

部品の仕上がり形状や素材(鉄、ステンレス、アルミニウム)によって使う機械や治具を変え、3D CADのデータを使ってシミュレーションをしながら加工機を操作していました!

PCでのシミュレーションの様子

お客様が望んでいる部品になるように、削る手順や削る方向を考えプログラムしているそうです。

素人の僕には技術的なことは分からないですが、こだわりを持って仕事に取り組んでいる姿勢に感激しました!

また、加工の手順を考えて、試行錯誤しながらより良いものに加工していくことが全員に求められていると聞いて衝撃を受けました!

アルミ部品の加工の様子

旋盤加工のところでは、実際に加工した部品を見せていただきました!

こんなに小さな部品でも精密に作ることができる!

今までは素材を固定して加工していましたが、ここでは素材の方を動かして加工しているそうです。

スパークを使って硬い素材でも複雑な切断や加工ができる放電加工機や、0.01mm単位で金属表面の平滑性を調製する加工機も見せてもらいました。

加工の様子

見た目ではよくわからないかもしれませんが、高精度を求められる精密加工は、細部までこだわる必要がある一方、面取りなどの作業は職人さんの手作業で行われることもあるんだとか。細かい部品だからこそ小さな妥協が大きな誤差に繋がるのだと感じました!

また、この岡谷で部品加工工場を営む強みも教えていただきました!

ここ岡谷市には製造業に必要な素材を扱う企業さんが集積しているため、そういった企業と協力することで素材の在庫をたくさん持つ必要がなかったり、急に必要になった素材をすぐに提供してもらったりすることができるんですよ!

普通の部品加工企業では在庫を確保する必要があるのですか?

普通は多めに素材を買い取ってそこから切り出して使ったり、欲しい素材があっても納品されるまでに1週間ほどかかったりする場合もあります。ここなら、当日注文してその日のうちに取りに行けたりしますので、本当にありがたい環境です。

周囲の企業さんと協力することで地の利を生かせるのですね!

素材のストックルームの様子

牛越製作所の研究開発に移動

部品加工工場に隣接する研究開発実験室にもお邪魔させていただきました!

ここでは、先ほど紹介していただいたラジコン草刈り機「かるずらーKZ-05」や高所作業用ロボット作業ツールのほか、現在開発中の製品も少し見せていただきました!

実験室の様子

部屋の中には「ザ・ラボ」といったような光景が広がっていて、私自身とてもワクワクするような光景でした!

ラジコン草刈り機「かるずらーKZ-05」

実際に見るとそのすごさが実感でき、特に高所作業用ロボット作業ツールは思ったより大きいことに驚きました!ちなみに、大しごとーくでも高所作業用ロボット作業ツールが展示されていましたね!

高所作業用ロボット作業ツール

これらのすべてがこの実験室から発明・開発されたと考えると、ものすごく夢が詰まっているな~と感じました!

実際に「かるずらーKZ-05」の操作もさせていただきました!

「かるずらーKZ-05」を操作中!

本当にラジコン感覚で操作でき、これで草刈りができるのは画期的だと感じました!また、一人でも持ち上げることができるほどの軽さにも驚きました!

研究開発の阿部さんに話を聞いてみた!

研究開発部門はどういったきっかけで始まったんですか?

社長が「地域でこんな課題があるんだけど、なんとかなるかね?」と相談してきたことが始まりです。最近は新しいものを作ろうとする企業が少なくなってきているので、そういった意味でも挑戦というか、なんとかしようという思いで始めました。

どの製品も地域課題や社会課題を解決するために開発されたものですもんね。
形にすることもすごいですが、ゼロからのものづくりをしているのはすごいですね!

確かに今までの牛越製作所とは少し違って、ギミックなどをゼロから考える必要があるので、常にアイディアを巡らせてますね(笑)
うちは大量生産で安くというやり方ではないので、発想で勝負する必要があるんですよ!現在開発中のものも、次はこうしようか…と日々試行錯誤しながら進めています。

この阿部さんの言葉に牛越製作所の未来が隠れている様な気がし、最後にもう一度牛越社長にお話を聞いてみました。

牛越社長の牛越製作所にかける想いとは…

最後に牛越社長に牛越製作所にかける想いや未来について聞いてみました。

私たちの会社は「なんとかしよう!に取り組む会社」なんです!ですから、地域課題や新しいことにまずやってみよう!という思いで取り組んでいます。
私自身、世の中の役に立つことを考えるのが好きなので、社員さんにはたまに無理をいうこともあるのですが、一緒に働いてくれる人は全員どこか似た考えをしているので、会社全体で地域や社会に貢献していきたいと考えています。

今後の方針としては何かありますか?

どこの地域にも当てはまることですが、今後より人手不足が深刻化していきます。この問題を解決するために、とくに危険な作業や面倒な作業を人からロボへの転換を実現できるように、研究開発や部品の試作に注力をしていきたいです。

最後に長野県の学生に一言お願いします!

ずばり、やりたいことをやって失敗してみよう!
やってみて成功すればラッキーだし、失敗しても経験になる。この経験がAIにはないものだからとても大切!また、失敗してリカバリーできるという経験も大事だから、たくさんやりたいことをやってみよう!

今日一日取材に協力してくださり、ありがとうございました!

最後に…

今回牛越製作所さんを取材して、部品加工企業に対するイメージががらりと変わりました!

なによりも牛越社長が優しく、時には熱を持って紹介してくださったおかげで牛越製作所のことや想いの部分まで知ることができました!

記事だけでは伝えきれないこともたくさんあるので、ぜひ「大しごとーく」などのキャリアイベントに参加してそこで働いている方の生の声を聴いてみてください!

牛越製作所の基本情報

社名株式会社牛越製作所
所在地本社:〒394-0031 長野県岡谷市田中町2丁目8番11号
京都工場:〒612-8429 京都府京都市伏見区竹田西段川原町119
会社設立日昭和56年6月
資本金2,400万円
従業員数85名
webサイトhttps://www.ushikoshi.co.jp/

この記事を書いた人

秋山真歩

シンダイガイド3期メンバーのまゆです。信大生へ有益な情報をマイペースにお届けします!よろしくお願いします。